ふらふらと放浪する割に、住む場所はあまり変えません。
日本だけなら5カ所。大学時代はキャンパスが変わるので2か所、
就職してからは1度引っ越しただけ。
今の渋谷にはなんと15年住んでます。
ふうてんのトラさんも、ふらふらしているけれど、
帰るおうちは一つですからね。

家を建て直すなどで、一時的に引っ越したことはあります。

5歳のとき、実家と隣の病院を一緒に建て直したので、
先にできた病院に、家族と住みました。
これはかなり強烈な思い出。

2番目の姉は個室の病室を与えられ、
一番上の姉は受験中なので、大部屋を一人ゆうゆうと。
私と3番目の姉はまだ小さかったので
父と母と大部屋暮らし。

できたばかりとはいえ、ベッドも入った病院(19床なので厳密には診療所)。
みんなで4階の大風呂に入りに行って、
帰りがけに3階の厨房で、プラッシーを飲んで帰るのです。
お歳暮にいただくプラッシーは夢のようなジュースでした。

そのうち、隣の家もできたのですが、病院好きな私は
病気をもらうからと、連れ戻されても連れ戻されても
病院に遊びに行くのです。
受付で看護婦さんたちに遊んでもらったり、
院長室で医学雑誌を眺めたり、レントゲン室で父の頭蓋骨を
生で見せてもらったり……。
私の庭は平和公園、テーマパークは病院と行っても過言でありませんでした。

そしてそれから三十余年が過ぎ、再びクリニックの二階に居候しております。

地震があってから、旦那さんの仕事場と実家のある福生近くのおうちで
過ごすことが多かったのですが、
築30年の、持ち主のいなくなった実家(義父は2年前に亡くなりました)は
鉄筋で大きくて、どうしていいかわからない感じ。
リフォームするかどうか、考えていたころに、
「小さくて、木でできたおうちをつくろう」ということになりました。

30年間の生活がたっぷりつまったおうちのお掃除をすること1年。
骨とう品屋さん、リサイクル家具屋さん、フリーマーケット出店、
ブックオフ、あちこちのバザーに活躍の実家の母の助けを借り、
なんとかおうちも空になりました。
これから解体して、小さなおうちに生まれ変わります。

そして、仮の住まいは歩いて200メートルのところにある
旦那さんの診療所の上。急きょシャワー室を作りましたが、
キッチンもダイニングも寝室もあり、生活が始まりました。
放浪者なので、新しい空間への適応力は大丈夫。

月~木をこちらで過ごし、木~日を渋谷で過ごす2重生活が
本格化です。

基本的に原稿はどこでも書け、打ち合わせも月~木は
メールと電話でこと足りるので、大丈夫です。

ちょっぴり緊張しているのは環境。
長崎は地方都市ですが、大きな道路に近く、車や観光客の多い場所でした。
渋谷のほうが閑静な住宅地ですが、新宿、原宿、渋谷がすぐそこ。

目の前に山が広がり、空がたくさん見える新しいこの環境は
ちょっと今までと違う体験。
ですが、親身になってくれる大工さんや下で働いてくださっている
スタッフの方などのお気遣いをうけ、
ゆっくりと「畑&山ガール生活」が始まりました。

今年はいつもより蚊にたくさん刺され、蝉の死骸をたくさん見ました。

ゆっくりマイペースで慣れてまいりましょう。

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